「八九式中戦車乙型(海軍陸戦隊仕様)」

 


アーマーモデリング誌2010年11月号〜2011年1月号と3号に渡って付属したオマケ通称「マガジンキット」で日本初の中戦車がようやくプラモデル化が成されました。

素直に喜びたいところではありますが、正直雑誌附録で初回生産のみですってのは売り手の都合しか考えてないよなーと思う。

普通に製品化してもペイするほどには捌けない、かといって複数製作するときは?とか、後々必要になったらどうする?とか

正直その場しのぎなアイテムに過ぎないんだよなーうーむ。

 

なんてことを考えながら諸般の事情に鑑み組み立て終了後からの記事起こしとなりますんで勘弁。

キットはファインモールド製で申し分ないディティールと分割、但しいくつかのゲートは同社らしからぬゴツイものになっていて

設計はともかく成型はこれ海外に出したんじゃネーノと、まーその邪推ですが(w;

 

ほんで海軍陸戦隊仕様に軍艦色で仕上げていきます。

ドイツのグレーとは違う色味にしないと意味無いんで佐世保海軍工廠色の上から明灰白色吹いた・・・

・・・ら、明るすぎてこりゃイカン!と

 

通常の軍艦色を吹いてなんとか落ち着くカタチに(汗)

この際車体砲塔とも上面には明灰白色が残り気味になるよう、最後の軍艦色は側面から吹いてます。それで深みがでればエエのですけど、

スミ入れとウオッシング兼ねたエナメル黒でいつものよーな塩梅で。

ところで溶剤に使ってるペトロールが無くなりそうなんで新しいの買ってきたけど前から持ってる分で事足りた(´・ω・`)

 

日章旗デカールを貼り、パステル使って車体下部中心に汚しを入れて

さてキャタピラなんだれどこれがちといただけない。

 

キット付属のベルト式は普段のファインモールドとは違ってプラセメントの効かない材質。

瞬間接着剤がひつようでベルトのテンションも高いこれはなんだかトラペキットみたいな感じで・・・

その辺も海外成型なんじゃネーノと思った理由の一つなんだけど

アートボックス的にはモデルカステン使えよってことなんでしょうけどねえ。

 

まー結局使ったんだけどな。

幸い転輪軸がモゲたりもせず無事完成。キャタには塗料が乗りそうもないなーと思って全部泥汚れですませた・・・

ら、そのイキオイで車体下部をどんどん汚して結果実に良い具合になったので満足ヽ(´▽`)ノ

あらかじめゴールドで塗っておいた錨章を最後に接着したら完成です!!

 

八九式戦車は皇紀2589(昭和4)年に開発された日本初の国産戦車です。

当初は八九式軽戦車として制式化されましたが後に装備品の拡充などから重量が増し八九式中戦車へと変更、

さらにディーゼルエンジン装備の乙型が開発され従来のガソリンエンジン装備型は甲型と称されました。

 

日中戦争を皮切りにノモンハン事変、太平洋戦争にまで投入され、

最後に実戦で用いられたのは昭和19年のフィリピン・ルソン島での防衛戦闘と思われます。

車体後部の尾橇に代表されるように第一次世界大戦直後の設計思想を色濃く残した八九式には余りに過酷な戦場でした。

 

何しろ、この戦車は出入り口が真正面についているのだ。

見た目可愛らしくて良いんですけどね。

なおキットはディーゼルエンジン装備の乙型なんだけれど、海軍陸戦隊がこっちの型式を使用してたかどうかは知らにゃい。

 

マフラー周囲の金網と57粍主砲はファインモールドのエッチング&挽き物砲身を使用しました。

なんせ元キットが初版限定なものでどこのお店もディティールアップパーツあんまり入れてないみたい。余らしちゃうとどうしようもないしね。

 

上から見ると独特の形状をしている砲塔や前後に伸びた車体の様子がわかるかと。

これまで詳細不明な点が多かった戦車なのですけど、カマド出版刊「日本陸軍の戦車」がすごく詳しくていろいろ勉強になりました。

この本の発売がやたらと遅れたのはマガジンキットのリリースと併せるためなんだろうなーと、これも邪推w

 

アオリで撮ると迫力ある車輌です。

現在の我々からすれば非力な戦車ですが、はじめてこれを目にした当時の人々には頼もしく映ったでしょう。

「鉄牛」のふたつ名こそ相応しい一輌なのです。

 

ところで。

 

「海軍陸戦隊だから軍艦色で〜」というのは昔の話で現在は否定されてます。

 

ホントは緑一色だったらしいんだけど何故あえてグレーで仕上げたかと言えば、

 

このほうがカッコイイからだ!!

うん、短砲身の戦車はいくら砲塔回しても変わり映えしない。それは認める(´・ω・`)

きっとガン・ホー世界じゃこの色なんですよぅとか言ってみます・・・

 

 

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