急にタミヤのシャーマン、それも古いM4A3シャーマンが作りたくなったのですが品番35122の製品は流石に生産休止中。
中古模型屋を探して回ろうか、プレ値がついてたらどうしようかと悩んでいたところ・・・
東武デパートで開催されてたタミヤモデラーズギャラリーにて、品番35250の「M4A3シャーマン・75ミリ砲搭載・後期型(前線突破)」が、
デカール抜きのバルク製品で売られていたのでした。お値段はほぼ半額の1732円とお買い得のアウトレットです。
考えてみればシャーマン自体は35122も35250もほぼ同じ物が入っているのでこれで良し。
ミリタリーミニチュアでもキリ番のNo.250として発売されたこのキット、しかし当時はあまり良い評価をされなかったように思います。
キリ番と言うことで周囲の期待はいや増し、しかしフタを開けてみれば古いキットに付属品を足しただけのマイナーチェンジ。
かつNo.251がやっぱりシャーマンで、こちらは車体・付属品はNo.250と共通でも砲塔を新規で起こした105ミリ砲型と、
正直なんでこんな似たようなラインナップを同時期に出したんだか、今となっても疑問です(笑)
まーしかし、ひとまわりして改めてみてみると、ボリュームのある車体と簡単に場景を演出できるフィギュア、加えて自由に使える荷物類も多数で
旧版のIV号戦車H型とも通じるバラエティ豊かに多様な楽しみが出来るプラモデルであり、当時そんなに非難することでもなかったんでないかい。
そんなことを思いつつ組んでみました。
今でこそ1/35のシャーマンと言えば究極と名高いタスカの製品や、多数のバリエーションを展開しているドラゴンの製品などがありますが、
組み立てやすさはタミヤが一番でVVSサスペンションもあっという間に組み上がる・・・と思ったら、
肝心のスプリングパーツ挟み込み忘れてて撮影直後に全部バラす羽目に OTL
ちなみにボギーは昔のままですが、ホイールはディスクタイプの新規パーツが指定されてます(古いホイールも入ってます)
前述したように主要パーツは1981年に発売された35122と同じ物が入ってます。
(尚、車体には1987年の刻印が打たれ、これはシャーマンジャンボ発売時の処置と思われます)
古いキットではありますが、1/35スケールのシャーマンはそれまでにタミヤも他メーカーもいくつも製品化していた人気アイテム故、業界的には後発でした。
後発なだけに当時の技術の粋が惜しげもなく注ぎ込まれ、現在でも通用するクオリティが保たれています。
車体各所には溶接痕や鋳造番号、切削加工など様々なテクスチャーが施され、シンプルな構造の本車に間延びが無いよう処理されています。
とはいえ省略されてるディティールが多いのも確かなので、M4A3特有の機関部ハッチをこさえてみました。
うん、ちょっと大きすぎたね(´・ω・`)
ホントはもっと薄い、板状の物です。テキトーにプラ棒並べたらなんだかブロックじみたものになってしまったが・・・
まあいいの、「そこにある」ことがだいじなの。
塗装は例によって例の如くにオリーブドラブの缶スプレー、車体下面は下地に黒を吹いて調子を変えてますがこの画像ではわからんなー
小物類の塗装に両面テープを使ってみたら超便利!こんな簡単なことにどうしていままで気がつかなかったんだろう・・・
基本工作や塗装が簡単な分、汚しの方には力を入れます。ただ、露骨に「汚い」ものにしたくはなかったので足まわりの泥汚れは控えめに。
バルク品に付いてこなかったデカールは、適当なストックからチョイス。
ほんとはダックビルタイプのキャタピラ履かせたかったんですけどね(35139のシャーマン・ジャンボにはダックビル履帯がデフォで付属します)
砲塔リング部分に溜まった錆の汚れがお気に入りって見えませんがなこんなとこ。
M4シャーマン系列はドイツ軍の化け物じみた重戦車などと比べれば見劣りするスペックですが、
稼働率の高さ・信頼性なども含めた総合的な性能では第二次大戦の平均水準を大きく上回る傑作戦車と言えるでしょう。
それを裏付けるのは高度なモータリゼーションを実現したアメリカ社会であり、
戦争初期のM3リー/グラント戦車、さらに戦前のM2中戦車から連綿と続く正常な発展、開発の蓄積による物です。
なんの実験的要素もなく、既存の技術を合わせただけで高水準の戦車を作る。他の列強諸国になかなか真似できることではありませんね。
M2中戦車なんて初めて見た人は絶対に失笑するレベルの駄目っぽい車輌なんですけど、戦間期に既にダブルピン・ゴムパッド付き履帯を実用化してるのはすごいことで。
このように車体を先に完成させて、その後に塗装の済んだ小物類を積んでいきます。
前にパーシング作ったとき(ずいぶん前だなー)と同様に、手芸糸使ってロープで結びつけられてるような体にします。
パーシングの画像見直したらちょっと太めに感じられたのでもっと細いのを使ってみたんですが、今度は却って細く感じる・・・
これで完成かと思いきや、
今回のヒミツ兵器(笑)、究極と名高いタスカのM2重機関銃です。いくつかリリースされてる中からCタイプの初期型車載揺架を使用。
どんな金型つかってるんだか見当も付かない、放熱孔は全て開口でレシーバー内部にもディティール有り(!)
開発年代も設計思想も違うので単純に比べられないんですがタミヤキット付属パーツと並べてみました。
(タミヤのM2重機もいくつか型があり、物によっていろいろ違いますので念のため)
機銃乗っけて晴れて完成∩( ・ω・)∩バンジャーイ
数あるバリエーションの中でもM4A3はフォードV8GAAエンジンを搭載し、12,000輌以上が生産されほぼ全てを米軍が使用した車輌です。
一部は近代化改良を経て朝鮮戦争、さらには諸外国に輸出され、陸上自衛隊でも設立初期にはM4A3E8型シャーマンが配備されていました。
生産性の高さはナチスドイツの軍需相シュペーアにも高く評価され、複雑な製造過程を経る重戦車よりもシャーマンのように大量生産向けの車輌こそドイツに必要なのだと言わしめたり。
一方現場で使ってる当事者のアメリカ兵たちは「池のアヒルみたいに簡単にやられちまう戦車」だと酷評していました。
そうねえ、ぼくも中高生の頃はそれなりにパンターとか派手な戦車に惹かれた物ですけれど、例えて言うならそれはグラビアアイドルに惹かれるようなものでして、
この歳になるとシャーマンの落ち着いた外観の中にこそ安らぎを求められるような気がします。
安心して信頼できる強さと、ちょっと心配にもなる弱さを併せ持つこの戦車の属性は・・・
小学生の時に初めて作ったタミヤの古いシャーマンを、急にまた作りたくなったんですよ・・・
タスカのM2はやはり見栄えがします。ここはクレオスのアイアンを派手目にドライブラシで引き立たせたい。
M3“グリースガン”短機関銃はアクセント、こんなとこにサブマシンガン置いたりしませんがな普通は。
砲手用のペリスコープは不要部品から使い回し、スポットライトにはレンズ入れてます(実際はフードがあって奥まってるんで、レンズ見えなくても不自然ではない)
予備ホイールのパーツが車体の物とは形状の異なるタイプでどうも不自然、そのため色合いを変えたりゴム部を痛ませたりで
いかにも「余所から拾ってきました」かのように。
キット付属のパーツだけでは単調なので、いくつか手持ちのストックも使用しています。
大量に入ってる装備品ランナーも既存のキットのパーツや武器セットをそのまま流用してるんで、目新しさには欠けるんだよなー。
ヘルメットなど同じパーツが多いので、意識的に色合いを変えて差別化を図っています。
洗面器とかバケツとか、戦争を感じさせない「日用品」があればもっと生活感が出せるのですが・・・
その点でも旧IV号H型はいいキットでした。自分自身は作ったことはないんですけど、むかしちょっと見てね。
歩兵三体が付属します。アルデンヌ戦を思わせる冬服フィギュアはいいんだけれど、250と251で全く同じフィギュア入れてもどうすんだかなと当時思った。
このキットに入ってるフィギュアを新旧ダブリふくめて全部ならべるとこーなります。ひと大杉です(w
さて、このシャーマンを作ってるさなかにとあるラジオ番組で「ゲストの池澤春菜さんに叱ってもらおう」なんて企画をやってました。
声優のみならず著述・茶師など多彩な方面でご活躍し、ホビージャパンにガチでガンプラ作例載った方でもあります。そこで冗談半分に
「ボクはモデラーでエアブラシもピースコンも持ってますが、手入れが面倒なんでいつも缶スプレー。向上心が欠落している駄目人間でぇ〜す」
てなメールを送ってみたらなんと生まれて初めて番組で読まれまして。
いやあ、叱られたのなんの。
ラジオから名指しで叱られると言う、希有な体験をしました。
ストレスを感じることなく簡単に楽しむことをコンセプト(?)に据えて長年やってきたけれど、打たれれば響くところもあります。
我々にとってはご褒美なんですけどね ヽ(*´д`*)ノ
てなわけでワンピースの人魚キャラ、ケイミー(CV:池澤春菜)
「叱る」ということであればマリみての由乃さんかケロロ軍曹の裏桃華ちゃんあたりがよかったんだけど、さすがに今更見つからないのよ。
いろいろと思うことあり考えることもありだけど、その辺はぼちぼちとな。
進歩は・・・しているのかなあ。