用意したのはタミヤのセントー、CS Mk.IVのキットです。ちょっとした改造でこれを兄弟車輌のクロムウェルCS Mk.VIにしてみようと。
タミヤのセントー/クロムウェルはどちらも初期に量産されたCタイプ車体で製品化されていますが、これをDタイプ車体へと改造します。
アーマーモデリング誌のフィル・グリーンウッド連載記事「ブラボー・ブリティッシュ・タンクス」を参考にしました。
97〜8年あたりのバックナンバーにいろいろ載ってるんですが、新発売当時のその頃の本誌を見てもフィル以外は誰も作ってないのが悲しい・・・
記事の写真を参考に、パネルラインを彫り直します。しかしまじまじ見ると良い出来ですよこのキット。
クロムウェルのバリエーションとして出たものですが、考えてみりゃ傑作揃いの90年代製品で且つ俊作たん趣味の英軍ネタでしたからねえ。
追加のラインを掘った後で、元のモールドを埋めます。順番は実に大事で、もしも逆にやってスジ彫りに失敗したら目もあてらんない(w
車体下部にサスペンションアームを取り付け、
その上に装甲板を重ねます。
クリスティーサスペンション特有の二重構造を再現。BT−7を組んだときに感嘆したものですが、とっくの昔に実装されていたんだな・・・
さくさく進んでいきます。
セントー/クロムウェル戦車はそれほど人気の高い車輌ではないのであまり模型雑誌などで取り上げられることはないのですが、
こうして見るとナカナカにかっちょええものです。
A24キャバリエ巡航戦車からはじまる面倒くさい開発史については大日本絵画のオスプレイ世界の戦車イラストレイテッドシリーズ
「クロムウェル巡航戦車1942-1950」に良くまとまっていますのでそちらを参考にしてください。
あんまり簡単に組み上がっていくので色気を出してライトコードを追加してみました。ちょいと長めですけれど、多少オーバーな方が判りやすい達成感である。
機銃手ハッチもヒンジ部分に金属線で軸打ちして可動化してみます。ここだけ開いても大して意味はないけれど(笑)
タイヤゴムの肉抜きを埋めてクロムウェルでよく使用されているソリッドタイプに。パーツ注文するよりはポリパテ使った方が割安です。
久しぶりにポリパテ使ったら硬化時間とかいろいろ感覚的なことをすっかり忘れてまして(恥)
全部の転輪埋めると蓮コラみたいだ・・・
今回の秘密兵器おゆまるであります。世界堂で80円也。
熱湯に漬けると軟化して温度が下がると硬化する一種の造型粘土(ゴム素材)なのですが、これを簡単な型取り複製に使用するのです。
エンジンデッキのヒンジ部分を複製したいので柔らかくなったおゆまるを当該ディティールに押し付け固めて、
硬化して出来た型にポリパテを詰めて複製します。
出来上がったヒンジ3個とプラ板で新型操縦手ハッチを自作。
初期のセントー/クロムウェル戦車は砲塔が正面からちょっと動くと直ちに干渉して開かなくなる観音開きの操縦手ハッチを装備していましたが、
これを中折れ式に改め、折れ線から分割出来るクラッシャブルな構造にしたものがタイプ2ハッチです。
元からあった蝶番の受け部分はプラ板などで埋めてます。
ここから塗装過程。
すべてクレオスのMrカラースプレーを使います。まずは下地としてレッドブラウンを全体的に。
次にライトサンドを側面から吹きつけます。上面にも多少色が回りますがあまり気にしません。
そして木甲板色を上面から。こちらはなるべく側面にはかからないように注意します。
最後にウッドブラウンを全体的に、下地のグラデーションが残る程度に吹きつけます。上面や側面が上手い具合にハイライト付けばオッケイです。
イメージとしては第二次大戦後期、イギリス本土配備車輌のカーキブラウンを目差してます、作ったのはクロムウェルなのに塗装はセントーのパターンでややこしい事この上ない。
そして紅茶をシンボルに仰ぐ宗教系女学院のデカールを貼ります。
なんのことはない、車体のカラーはミルクティー色なんである。
車体番号「18」はセントー付属デカールから切り貼りましたわ。
マーキングの位置はガルパン本編に登場した聖グロリアーナ学院の車輌に準じています。
セントーでは不要パーツ扱いだったクロムウェルのフェンダーが丁度よい案配で使えました。
スーパークリヤー半光沢を吹いてエナメルでスミ入れ。この辺は定バンダナ。
エンジンデッキを中心に車体正面にタミヤウェザリングマスターで退色表現です。
メタルカラーのアイアンと油彩でチッピング表現を加えます。
角張った外形の戦車なのでエッジへのドライブラシが効果的に思えます。ガンプラだってドライブラシで仕上げていいのよ?
足まわりも含めて汚し派手目で完成です。
ロールスロイス・マリーンエンジンとクリスティ式サスペンションを備えた高速巡航戦車、
なかでもCS型は主砲に95ミリ榴弾砲を備えた近接支援型で、発煙弾や成型炸薬弾を搭載して機甲師団の一翼を担いました。
全体的にくたびれた感を出したくて、
英国でも下町な、マナーハウスのアフタヌーンティーよりパブでジン飲んでるようなイメージ。女子高生だけどな(w
足まわりの汚れは久しぶりにパステル使いました。キャタピラの接地面はパステル落としてメタルカラーで磨きます、イイ感じになりました。
車体後部のノルマンディーカウルもハイライトが良く出せたので気にいってます。缶スプレーでもこういう事は可能です。
砲塔上面のキューポラにある鋳造番号とか車体全体の装甲板テクスチャーとか、とにかく凝ったモールドが施されてる戦車プラモでした。
この製品の魅力って新発売当時にはさっぱり伝わって無かった気がする。やっぱ日本の戦車模型業界ってジャーマンクレイジーだったんだなあ・・・
せっかく可動化した機銃手ハッチ周辺は人の出入りを考えてチッピング多めにしておきます。その方が楽しいんです。
支援車輌ってなんか好きなんだよなー。頼れる副官ポジションというかなんというか。
ガルパン本編ではクロムウェル系列車輌が登場することはなかったのですが、T-34と同等の機動性を持ち、装甲貫徹能力110ミリのHEAT弾を使用可能な本車なら
描かれなかった黒森峰との全国大会準決勝やその先の決勝戦を見据えて聖グロチームにも配備されていたのでは・・・とか
やあ、とても車長のキャラクターがCV含めて設定されてるなんて恥ずかしくて言えませんよねその、
砲塔上にティーセットを乗せたかったんだけど、手持ちのパーツはいまいち女子高生らしくなかったんで寝る。