タミヤMMシリーズNo310、フィンランド軍仕様の三突です。製作に当たってはいろいろ資料を横目で見ていますが、
大日本絵画の「流血の夏」「フィンランドのドイツ戦車隊」はオススメです。
キットはシリーズ既存のIII号突撃砲G型の一部パーツを差しかえたもの、従来のCランナーを無くして代わりに入ってるEランナーがこちら。
フィンランド陸軍が現地改修した増加装甲などのパーツです。「現地改修」って言葉は萌えますわあ
一度は組み立てた覚えがある(いや、中途でザセツしてますけど)車体なのでまあ気楽なもんです。
車体下部側面にボルト留めされた装甲板は特にガイドもなく現物合わせの接着なんですけど、さほど苦にもならない。
最近の製品では同梱されてることも多いエッチングパーツが別売りなのは注意点かな。あんまり店頭で見かけなくなってる気がします。
このキットはフィンランド軍が使用した車輌の中から「前期型」と「後期型」の2バージョンが選べるのですが、今回は1944年7月時期の「後期型」を作成しました。
後部に大型雑具箱追加、ドイツ軍時代から脱落しがちで使いづらかった側面増加装甲板「シェルツェン」は廃止され、代用として森と湖の国には有り余っている木材が搭載されます。
戦闘室全面にはコンクリートが盛り上げられ、ドイツ製のMGに替えて1939年以来フィンランド軍が山ほど鹵獲してきたロシア製デグチャレフ軽機関銃が標準装備されています。
設計にあたっては随分と綿密な考証が成されたとかで75ミリ主砲も横幅の広いマズルブレーキを装着したタイプが新規パーツで起こされています。
横から見ても?ですけど前から見ればその違いは一目瞭然。もちろんドイツ軍でも使用されてる部品ですんで、このキットを利用してある時期のドイツ軍III突も作れますね。
増加コンクリートも末期ドイツ軍ではよく見る装備です。
し か し な が ら
ワタクシ今回10.5cm砲型作りたくありまして、たった3つのパーツのためにわざわざCランナー部品注文しちゃいましたのだ。
果たしてフィンランド軍がこのタイプの車輌を使用してたのかどうか定かではありませんが・・・
いいの、俺は42式突撃榴弾砲が好きなの!太い方がいいの!!
ちなみにフィンランドに派兵されていたドイツ軍の第303突撃砲旅団では使用実績があるのでそんなに不自然では・・・ない・・・ハズ(弱気)
コンクリート部分はタミヤパテなすりつけで梨地処理を強調し三本ひと組の丸太は結束帯にプラ材貼って一体化。
こっから塗装に入ります。指示図の通りの三色迷彩でまずはNATOグリーンを缶スプレーで。いやNATOって(笑)
そんでレッドブラウンを筆塗り。
さらにミデイアムグレイも筆筆塗り塗りで基本塗装ですが注意することが二つあります。
1:うっかり日本軍ぽくしないようにする
2:もげたノテックランプをなくさないようにする
この2点を守ればきっと大丈夫だ!!
フィギュアは例によってゴニョゴニョだ!!
今回あんまりツヤが消えないんでわざと雨の日を選んでつや消しクリアー吹いたら実にイイ感じになりました。なんという暴挙・・・
ウェザリングいろいろ施します。以前にも48でやったことあるウェットな泥汚れを、フィンランドの地勢をイメージして強めにやってみました。
ものの本によれば泥汚れの盛り上げはピグメント(顔料粉)にモデリングペーストやアクリルレジンを加えて云々と説かれていますけれども、
フツーにパステル削って、100円ショップで売ってる木工ボンドにまぜれば全然オッケイです。
車体下部に光沢スプレー吹きつければあっという間にジメジメ感炸裂ですよ梅雨入りですよ。
そんなこんなで完成です!わはー!!
本来右の増加装甲に車体番号+左の操縦席バイザーにニックネームを書いたのマーキングがフィンランド軍戦闘車輌の慣習なのですが、
解説書で唯一愛称も詳細な戦闘状況も不明だったPs531-22号車にしてみます。10.5cm砲と合わせて架空車輌の気分ではありますな。
あ、ひとつハカリスティ(フィンランド鉤十字)の角度間違えてるじゃないか!!!
タミヤでは初の立体化であるフィンランド戦車兵。あんまりアップにはしない(苦笑)
1939年の「冬戦争」を題材にした映画だと軍服も装備も足りない様子が描かれていましたが、1941年の「継承戦争」以降は流石に充足してたのかな。
あらためて前後から。車体後部のハカリスティも本来大型のが指定されてるんですが、貼り難いんで小型にチェンジだー。
上面並びに右側面。塗装図から迷彩パターンは前後方向に伸びる印象がありましたのでそのように。丸太はいろいろ塗り重ねたんで正直よく憶えてない・・・
ちなみに実車の写真見ると大抵は生木の枝葉を山盛り偽装していて迷彩パターンもなにもあったものではない(笑)
久方ぶりに1/35スケールで第二次世界大戦の一般的な戦闘車輌を作ってみたので前に作った九七式とT-34とで並べてみる。
チハ車台とIII号戦車車台は長さでほぼ同様、幅はIII号が広くて大型の砲塔や砲架を乗せ戦闘室・機関室ともに広く取れます。
そしてやはりT-34は長さ幅ともにデカイな。タミヤのT-34いささかボリューム過多と聞きますけれど、それを差し引いてもやはり大きい。
それだけ拡張性も高い。技術や戦術が日進月歩だった時代にこの差は大きい。
III突のアドバンテージは車高が低いことなんだけど、比べた二つがどっちも低めの戦車なんであんまり差が出ないかー。
シャーマンとかIV号戦車とかで比べれば顕著かな。しかしこのわずかな差でも主砲の負仰角の差は大きい。詳しくは「パンツァーフロント」やるべし。
III号突撃砲についてはヨンパチで作った頃に語り尽くした観もあるんだけれど、こうしてまた作るとやはりいい。こころにしみる歌のようだ・・・