さて、昨年中に読んだ本のなかでも一番に面白かったのはスティーブン・プレスフィールドの「砂漠の狐を狩れ」でした。
第二次世界大戦の北アフリカ戦線を舞台にイギリス軍の長距離砂漠挺身隊(Long Renge Desert Group)の活躍を描く軍事冒険小説で、
史実を強固にベースにしながらその傍らに立つ架空の情報将校を主人公に据え、その人物が戦後「編集者」として能力ある人々の傍らで支援していく人生を歩んでいく、
なかなかに良い展開なのです。
さてその作品に登場したシボレーの30cwtトラック、以前よりタミヤからリリースされているのですが
小説とほぼ同時の良いタイミングでブレダ20ミリ機関砲とセットで限定販売されました。
これまでいろいろ本も読んできましたし、プラモも作ってきましたけれど
「本で読んだものを、そのままプラモで作ろう!」
と思ったのは初めてで、いや面白い経験でした。
実際手に取ってみたのが読了後半年以上経ってからでしかもただなんとなくとゆーのはさておき。
もとになるのは古いキット(1976年発売)なのでサクサク組んでいけます。フロントサスペンションの可動も少ない部品で良く動いて◎。
反面突き出しピンの跡がエライ露骨で流石に古いキットだな〜と思ったのですけど、実際この後組んでいったらほとんど見えなくなる位置だった・・・
流石ですね。
フロントグリルは如何にも古めかしいデザイン。
イギリス軍の車輌ですが製造自体はカナダのシボレー工場だそうで、積載量1 1/2トンとは軍用トラックとしては小型の部類か?
この小さなトラックに荷物や武器を満載して空挺特殊部隊(SAS)とともに北アフリカの砂漠地帯を縦横無尽に駆けめぐったのが
長距離砂漠挺身隊(LRDG)なのです。
しかしトラックは砲塔まわしてぐるぐるぐる〜とか出来ないなあ←バカ
そしてこれがイタレリ製「ブレダ20/65 M35 20ミリ機関砲」のパーツ。わずか1ランナーで構成されていますが良くできてる!
自在に旋回しますし上下動に照準器が追随!する!!ぐるぐるぐる〜←バカ
実際の砲もイタリア製の火器としては優れた傑作で、イギリス軍がやたらと盗んじゃいろんなところで使ってます。
上のパッケージ写真通り、本来は牽引するよう指示されているのですが、
「砂漠の狐を狩れ」本文を読んだ限りでは荷台に載せて運用していたようなのでその通りにしてみます。
更に加えて荷物もいろいろ載せたいところで・・・
実際のところ流用できそうなパーツはいろいろ出ています。
荷物類、銃器、フィギュア等々数年前に比べて英軍アイテムってずいぶん増えました。
しかし現代のアイテムはやはりいろいろ値が張る物でさてどうしよう。
ピコーン!(AA略)
ほしいものは全部はいってて格安!な「SASジープ」を買ってきました。
なるほど作りは古いんですけど、元のシボレーも古いので違和感がないw
しかしこの二人ってタミヤMMシリーズの中でも最もキャラ立ちしているよな(独断)
載せたり降ろしたりまた載せたりで試行錯誤。
これは!というパターンがあったら撮影しておくと後で困りません。
この過程が一番楽しかった、かな。
なんだか木製「ノアの箱船」玩具で情操教育する欧米のお子さまたちの気分w
積んでるうちに欲が出てきて(苦笑)フラッグシップ製の極細チェーンを買ってきてリアゲートを加工してみる。
と書くと簡単ですけどここまでやるのに何度も悲鳴を上げている(泣)
結局、水平にならなかったしね・・・
基本塗装はタミヤスプレーの木甲板色です。
実を言うと荷台の部分が金属製なのか木製なのかよくわからなかった。
多分金属製だろうと・・・思うんですけど・・・
それで汚し入れて荷物を載せればさあ完成!
なのですが。
やはりタミヤMMシリーズの中でも最もキャラ立ちしているふたりを使わない手はない。
よく「キャラ立ちはするが応用は利かない」なんて言われてますから
よし応用してやろうじゃないか。
ジープは左ハンドルなんで左右逆の位置になりますけどなんとかなりそう。
シボレーのガンナーも絡められそう。
シボレーのドライバーは・・・在庫ボックス行きで・・・多分、応用は利かない・・・
荷物置きも再設定。いや前に写真撮っておいてよかった(苦笑)
いろいろ載せたり、いろいろ降ろしてみたり。
結局使わないパーツも出たのですけど、まあノアの箱船にも乗れなかった生き物はいたらしいので。
そしてフィギュアーズも塗りおえた。ドライバーはなかなか上手くいった!あとのふたりはピントがボケているところから推して知るべし!!
三者三様に肌の色合いを変えようとした。いまでは反省していない。
かくて完成でありますわはー
荷台にはブレダ20ミリ砲に加えて支柱部分をルイス機関銃の銃架に使い、ボンネットにはヴィッカース“Kガン”機関銃をそれぞれ連装・単装で装備。
さらにはエンフィールド小銃二丁にブレン軽機関銃とボーイズ対戦車ライフルを個人装備として携行し・・・
調子に乗って重武装させすぎた気がする(・ω・)
しかし「砂漠の狐――」本文また実車の活動中写真見ても結構な重武装をしています。
SASジープもそうなんだけど防弾装備には少しも気をつかってないところが
命知らずだ Σ( ̄□ ̄lll)!!
荷台は結局こうなりました。ブレン砲は後方180度を射界とし、そのため旋回範囲をカバーできるように載せたんだけれど
どうも実際、あんまり気にしてないように思える。
燃料の積載はジェリ缶で「一輌につき四十五缶積む」と書かれていましたがそんなのやってられるかヽ(`Д´)ノ
フィギュアは単に手脚の取り付け角度を違えただけのお手軽なのですけど(塗りはともかく)自然な配置が出来たかなーと自負しています。
ハンドルを切るドライバー、双眼鏡片手に偵察を終えて座り込む指揮官、
手持ちぶさたなのでとりあえず水筒を差し出してみる銃手(新入り)と
ほら自然な・・・ドラマが・・・うまれ・・・ないよなOTL
ドラム缶とブレダ砲の塗りは気に入ってます。
露骨に米軍仕様のままですけど、なにかの記事でアメリカはドラム缶ごと燃料を輸出してたとか見た憶えがありまして。
ブレダ砲は鹵獲兵器ということから他の物品より汚しを派手目に、「汚れた」よりも「くたびれた」感じ、ですかね・・・
色塗ったら可動しなくなったんだけど (´・ω・`)キニシナイ!
砂地脱出用のサンドチャンネルはSASジープに入ってるパーツの方が出来が良かったので、少々短いながらそっちを使用。
そして運転席脇のこの物体は何かといえば、イギリス軍謹製の燃料携行缶だったりする。
この分野ではよく ドイツ軍のジェリ缶>米軍のコピー みたいな事を言われますがじゃあ英軍はどうだったかというと
ドイツ軍の>米軍の>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>(越えられない壁)>>英軍のやつ
だったそうで。
通称を「フリムジィ」(薄っぺら、へなちょこの意)とか呼ばれてました。
そーいやドロシー・セイヤーズの創造した名探偵、ピーター・ウィムジィ卿の幼少時のあだ名がフリムジィでしたなぁ。
なんでも日本の駄菓子屋にあったブリキ缶とそっくりで、指の爪で穴があいたらしい(汗)
おかげでコイツで燃料を運ぶと半分は消えて無くなるらしい(汗汗)
そして荷台のこちら側は戸棚のように開いてNo.11車載無線機が搭載されています。
どうしてもティーセット置きたくなりますよね?
いや実際探してみたんですけど、良いのがなかったもので(^^;;
そして原作といっしょにパチリ。
ストーリーのみならずここでは割愛したLRDG部隊の詳細な解説なども含めてお勧めの一冊。
新潮文庫刊、定価781円(税別)とうわ安っ!これが創元なら1000円は軽く超えるね!!
などと出版業界の裏表に思いを馳せつつおしまいです。
しかし欧米の軍事小説によく出てくる「ぼくのかんがえた超かっこいいドイツ軍人(ナチじゃないよ)」像って、ドイツのひとはどう思ってんでしょーね??
こうして撮ると「背景」ぽくてイカス!