と、題しまして今回、忙しい日常の只中にあっても、ひとは趣味に時間をかけ、なにがしかの感慨を得るのだと証明してみます。
ところが金曜の夜に仕事を終えて、風呂に入って晩飯くったら一日目の残り時間は
五分しかない。
急遽コンセプトを「二日で作るモデリング」に変更して深夜零時過ぎから作業開始です(泣)
日付というのはいったん越えてしまうと気が大きくなるもので、「タモリ倶楽部」とか見ながら部品切り出しパチパチ。
サスペンション、砲身、車体下部などを組んで終了〜。
途中だらだらネットに繋がったりしてたもんで、気がついたら二時半ですよ。
・・・寝よう。
土曜日の朝はゴミ出しとともに始まる。
一杯の珈琲を傍らにアンニュイな気分で作業再開。
昨晩組んだパーツをも〜どんどん塗ってしまいます。乾燥させている間に今度は車体上部を組み組み。
おお、今日の「ぶらり途中下車の旅」は世田谷線ですよ!
などとやってるうちに「ふしぎ星のふたご姫」がはじまったので作業中断。なんの実況なんだ(笑)
午後は「ガン×ソード」のサントラをBGMに組む組む組む!塗る塗る塗る!
少し気分が悪くなってきたので部屋を換気する(爆)
夕刻、「ガンダムSEEDディスティニー」の最終回を見ました。
先 生「Aくん、共産主義は私たちになにを与えてくれましたか?」
生徒A「ええっと、う〜ん・・・」
生徒B「糞だ!糞!!」
先 生「Bくん、Aくんが考えているのに横から正解を言ってはいけません!」
・・・気を取り直して転輪の塗り分けを続けます
晩飯食ったら「美の巨人たち」とか見ながら車内装備品塗り分け〜
砲弾と消化器は目を引くポイントです。
土曜の夜でここまで進みました。やっぱり単色塗装は手早く進むなぁ。
日曜の朝は「スーパーおとなタイム」とともに始まる・・・
しかし当然のようにリアルタイム視聴なんてできません。
大人ですから、朝は寝てます。
OPまで変更かYO!とかいいながらキャタピラ組み付け。
午後は・・・
昼寝してました(ぼそ)
晩飯食ったら一気呵成の型(笑)で装備品組み付け。
「雪の女王」が「マッチ売りの少女」だったんだけど容赦ない出崎演出に呆然。スゲーな。
とかしてる間に汚しやスミ入れやらいろいろやって完成だ!
タミヤ1/48MMシリーズ「M10駆逐戦車 中期型」
こうして、 忙しい
自堕落な日常の只中にあっても、ひとは趣味だけに時間をかけ、なにがしかの感慨を得るのです。
あとはま、実車の解説など。
陸戦というものは結局の所陣取り合戦だというのは今も昔も代わりはない、
そこで戦車とは相手の陣地に攻め込んで蹂躙、さらに追撃して戦果を拡大するのが役割であって
「敵戦車と交戦するのは戦車の役目ではない」
というドクトリンに沿っていたのが旧日本軍だったのは有名な話ですが、実はもう一国、同じことを考えていたところがありました。
それはアメリカ陸軍でした。
「敵の戦車は自軍の陣営に攻め込んでくるものだから、その時には別の対戦車器材で対応する」
米軍の駆逐戦車(Tank Destroyer)はそのために作られました。
さて、一般的に駆逐戦車といえば↑のようなものを差しますが(チョコタンクの4号駆逐戦車ラング)
これはドイツ軍の駆逐戦車(Jagdpanzer)であり、全高を下げて身を隠し、強力な装甲と主砲で敵を駆逐する、
いわば「待ち伏せ車輌」です。
米軍の駆逐戦車は全く異なる設計思想で開発されました。
米軍の駆逐戦車は通常戦線後方に位置し、突破されたらその場に急行する「緊急車両」です。
そのために速度が第一に優先されM4シャーマン戦車の車体を軽量化、具体的には装甲を薄くすることで機動性を向上させた車体が作られました。
最大の特徴はご覧の通り屋根がないことです。
これは少しでも早く突破した敵戦車を発見するために砲塔内の人員三人が全員で索敵を行うための処置。
実際には破片が飛び込んできたり土砂が飛び込んできたり雨が降り込んできたり散々だったらしいです(笑)
主砲には3インチ(約76ミリ)高射砲が転用され、M4シャーマンの75ミリ砲よりも強力な装甲貫徹能力を備えていました。
薄い装甲は傾斜角を与えられ、少しでも防御力を向上させる処置が採られています。
実際には、このようなドクトリンは机上の空論もよいところで
戦場で敵陣に突入した米軍戦車はドイツ軍の中戦車や駆逐戦車、運が悪ければ重戦車に次々に遭遇しました。
そんな状況下で後続する駆逐戦車を待つ余裕など無く、ノルマンディー後はM4シャーマンにも3インチ砲搭載型が増え、
M10駆逐戦車の存在には翳りが見えました。
幸い車体は軽量、容積は広かったんで主砲を90ミリ砲に換装した「M36」へと発展し、終戦まで用いられることになったのです。
相変わらず屋根はついてなかったんですけど。
オマケでチョコタンクのM10パンサー。
ドイツ軍がバルジの戦いで実際に使用した偽装車輌です。
なるほど確かによく似ている。
しかも、ニセモノのほうが強そうですね(ぼそぼそ)