「カーロアルマート M13/40」戦車は第二次世界大戦の代表的イタリア戦車です。
イタリア戦車のネーミングは非常に分かり易く、本車は「戦車 装甲 中型 13トン 1940年式」という意味ですね。
PS2の戦車ゲーム「パンツァーフロントB」に出てくる車輌が作りたい!という理由で購入、
しばらく放置してたズベズダ製のキットをようやく制作しました。
放置してた間にタミヤのキットが再生産されてしまったのはナイショだ!
とはいえこのキット、本を正せば由緒正しいイタレリ製、自国車輌だけあって同時期のタミヤ製品よりずっと良い出来です。
30年ぐらい前なのに既に車体裏面が再現されてるのは驚きですね(タミヤはツルペタで何のディティールもない)
しかし金型購入したロシア人はなんのエンリョもなくデカデカと刻印を刻んでしまったのだ!
なんかインダストリアの下級市民を思い出します(笑)
制作の前にパーツ表面の離型剤を落としておきました。専用のものも売られてますが、家庭用中性洗剤でも大丈夫。
車体機銃の上とか、戦闘室後部にヒケや隙間が空いてしまったのでパテで修正しました。
その際リベットが消えてしまいましたが・・・ま、面倒なんで直さず(ヲイ)
組み立て説明書(藁半紙一枚、当然全部ロシア語)の手順を無視して先にサスペンションを接着してしまいます。
これポリキャップも使わずに可動するんでちょっと驚きました。
あと、車体前面のフックは油断すると中に落ちて取れなくなります。
ワタシ一回、車体前面板引っぺがす羽目に・・・
塗装開始。
まず一面レッドブラウンでスプレーします。今回この地色を活かしてサビ表現を試みる。
サビが出てくるであろう場所を考えマスキングします。
塗っているものは何かと言えば実は皮膚科でもらった塗り薬だったり。
マスキングゾルとか無くてもこういうこと、できます。
模型誌でケチャップ使ってるの見たことあるし、10代の頃はクレアラシルでやったモンです。
で、その上からデザートイエローをスプレーして、乾燥後膏薬剥がしていくとこんな感じに。
まだツヤが残ってますので水性ホビーカラーのラスト(サビ色)とか色々塗ったくって・・・
完成です。
イタレリのポリキャタはタミヤのそれより硬質で、焼き止めやったら絶対に車軸折りそう。
だもんで今回
ま、壊れるよりいいかなー。本当はモデルカステンとか別売りのキャタピラ買ってきた方が良いのでしょうが。
前面はこんな感じになりました。
大昔にモデルアート誌アフリカ戦線特集で見たM13が派手に塗装の剥がれた車輌でなかなかよろしく、そのイメージです。
が・・・しかし
「ホントは砂漠じゃこういう錆は発生しないんだぜ」
な、なんだってぇーーー!!!
気にしない気にしない、作ってる時は楽しかったんですから
il||li _| ̄|○ il||li
後方から見る。
やっぱりキャタピラのユルさ加減が気になる・・・
イタリア戦車というと走る棺桶のように思われがちなんですが、実際の所スペック的には1940年の戦車としちゃ普通です。
ドイツ軍の戦車はスペックに現れないところが優秀だったりしたんですが。
二人用砲塔でも後部を広くとり、それなりに操作性は良さそうです。フランス戦車とかだと狭くて大変。
是非張りたかったカンガルーマーク。イタリア人らしからぬセンスで・・・
実はオーストラリア軍がかっぱらって使用したものだったりする。
よってダイムラー装甲車の英軍将校を乗せてみましたよ。
いや塗装は大ッ失敗!!
「ど〜もスイマセン」←林屋三平調
別アングルから一枚。
第二次世界大戦の足かけ6年間というのは冗談のように軍事技術が進歩した時代でM13/40戦車はあっという間に時代遅れになってしまいました。
イタリア軍も地獄のシーソーゲームに遅れぬよう、砂漠戦や東部戦線の戦訓を取り入れたサハリアノ快速戦車を開発。
この戦車は洗練された外形を持つ予定で強力な主砲を持つ予定であり、先進的なサスペンションを使用する予定でした。
しかし貧弱な工業力しかなかったイタリアには戦争中に開発ラインを更新することは到底不可能で計画は中止。
結局本車を元にエンジン出力を強化したM14/41、ガソリンエンジンにすげ替え内部配置を更改したM15/42戦車など
所詮はマイナーチェンジな車輌で乗り切っていくことになったのです。
当時の日本とよく似た状況ですね。
で、チハたんと並べてみる。
一見すると小さくて弱そうなM13/40ですが、やっぱり火力も装甲も上回っています。
チハたん弱すぎるよチハたん。
マイナーチェンジじゃどうにもならない事は明かでした。
結局イタリア軍は従来の技術・設計思想で作られたP40重戦車を開発、配備させます。
この戦車はそこそこ強力で、そこそこ活躍する予定でした。
が、
出来上がったP40のほとんどはドイツ軍に盗まれ、一部エンジン未搭載の車輌はトーチカ代わりに使われたそうです。
余談。
M13/40、M14/41、M15/42の三種の中戦車はなかなか区別がつかないほどよく似ています。
どれぐらい似ているかというとこの、元をただせばイタレリ製の「M13/40」と名乗るキットは、
実は「M14/41」だったりする。
イタリア人にも区別がつかないのかYO!
「ガテン系」ならぬ「ラテン系」なお話でした。