正式には“SCHLEPPER UE 630 ( f ) MIT PaK 35/36”という名前なのだそうですが、めんどいのでタイトルのように呼びます。
使用するのはタミヤのフランス軍ルノーUE牽引車とドイツ軍37ミリ対戦車砲のキット。
ルノーUE牽引車はフランス降伏後大量にドイツ軍に鹵獲され様々な用途に使われましたが、
今回作るのは歩兵支援用の簡易自走砲のようなタイプ。
タミヤのルノーUEを設計したのは当時在籍していたフランス人社員の方で、同じくフランス軍のシャールB1もその方が設計されていたのでした。
母国の車輌ということでかなり力の入ったプラモデルとなっています。
2011年の震災直後に(ご本人よりもご家族の事情で)退社され、その後はエレールに行かれたと聞きましたが、
今はどうされているんでしょうね?ソミュアとか誰がやったんでしょうねー。
ハコ組みの車体もぴったりはまり、各面のリベットは非常に綺麗に彫刻されています。
ルノーUEは先行他社にいくつか製品がありましたが、やはりタミヤ製がいちばんでしょう。
敵弾下で物資補給を行うことが主任務の車輌で、小さいながらも装甲板で構成された荷台が存在します。
荷台には可動ギミックもあってなかなか楽しいプラモデル。
カーゴも牽引します。これ日本の九四式軽装甲車に使い回せない・・・だろうなあやっぱり。
一通りの構成要素を組んでみました。
塗装は筆塗りで。対戦車砲のジャーマングレイはともかく牽引車のほうはフランス軍の塗装にしておきたかったけれど、
結局フィールドグレイ(ドイツ兵の軍服の色)にしてしまった。
まあいいじゃん。
試しに載せてみる。うん、なかなかイイ感じです。
小さな牽引車輌にこんなふうに直接砲を載せるのは、ロシア軍がコムソモレッツ牽引車と57ミリ砲の組み合わせでやってるけれど
やっぱ真似したんですかねこれ?
カーゴと繋いで後ろから。
本体もカーゴもキャタピラは部分連結式です。ヨンパチ作ってる人なら問題ないところでしょう。
ちょうどこれ作ってるときに、アーマーモデリング誌で台座の作り方が特集されてたんでやってみる。
むかしは身の回りに手頃なサイズの板が転がってたものですが、昨今どうなってんでしょうねカマボコとかね。
オイルステイン重ね塗りしてニスを吹く。水性塗料なら結構簡単に進められます。
大昔に無塗装素組みで作った37ミリ砲が出てきたので、こんな載せ方もありましたという例。
いくらなんでもヤッツケ過ぎだけれど、フロントフェンダーがちょうどピッタリマッチするんだなこれが。
本体完成。
ルノーUE牽引車はイギリスのカーデンロイド装甲車にルーツを持つ装甲車輌です。
カーデンロイド装甲車は戦間期のベストセラー車輌で多くの国に輸出、あるいはコピー(ライセンス)されました。
なかでもフランス軍はルノーUE牽引車を大量に配備し、生産数も元祖イギリスを超えてトップに。
しかし見れば見るほど「双子のボトムズ」みたいなカタチですなー。
カーデンロイド装甲車はもともと機関銃運搬車として開発された車輌であり、
ポーランド軍などでは装甲・武装を強化したTKS豆戦車に発展させたのは有名ですが、
フランス軍ではあまりそっちに進んでない(皆無ではない)のはちょっと面白いところかな?
機関銃は要塞線に接置されてるのが前提だったりするのかも。
ヨーロッパ列強のなかでもカーデンロイド系車輌をまったく保持してなかったドイツ軍ですが(そらブリテン人も輸出しませんわな)
前述のように大量に鹵獲、様々な改造車輌を製作しました。
37ミリ対戦車砲Pak35/36はT-34ショック以降はドアノッカー呼ばわりされていますけど
歩兵支援用の直協火力としては十分な能力(と、手頃なサイズ)であったため
本車だけでなく様々な車輌を簡易自走砲化するのに使われてますね。
タミヤの37ミリ砲は相当古いキットなんですけど、ドラゴンの(比較的)新しいものと比べてさほど見劣りしません。
てゆーかドラゴンの37ミリ対戦車砲の設計ってほぼタミヤのパーツ構成と変わらんのでひょっとしてこれはその。
実車では対戦車砲の車軸からスイングアームは外してるようなのですが、タミヤもドラゴンもここんとこは一体化されてるんで
まー誰もやりませんな、うん。どうせ詳しいことはよくワカラン車輌だしな(え
これで完成・・・なのだけど、いずれ荷物増やしたりマーキングとか加えるつもりではいます。