第一話「1942年、シンガポール」(後編)

 


 計器板の明かりにぼうっと照らされた、暗く広い操縦席。いくつかの人影が、そこに浮かび上がります。

時折きらきら輝くのは、まるで昆虫の目のような飛行眼鏡。その奥の瞳が見えることはありません。

「目標変針、降下中。逃亡を図る模様です」

脇のほうの座席で身を屈めて計器をのぞき込んでいたひとりが短く告げます。

「馬鹿め、逃げ切れるつもりか」

先頭の座席で操縦桿を握っているひとりがフン、と鼻を鳴らしました。

操縦席中からククク、と失笑がこぼれます。と、その時

「・・・諸君」

操縦席の一番後ろ、一段高くなった座席から静かに、ただ静かに声が聞こえました。

その場の全員がびくりと身をただします。

その人物は、少し身をあげて、

「・・・努力することは常に美しい。ただ努力をしているからという理由で人を蔑視するものではない」

冷たいナイフを刺し込むように、言葉が空気を支配します。

「例えどれほど、それが愚かで空しい努力だとしても、だ。さあ、我々の狩りをはじめよう」

 

「フォン・クリーゲ!!」

一同は拳を握り片腕を掲げ、風変わりな敬礼で答えます。後ろの人影はそれを見て、満足そうに座席に身を沈めました。

 

「機首を低位置に!」「各員、降下態勢!」「フル・スロットル!」

やつばきに指示が飛び交い、轟然と音を立てて飛行機械が目を覚まします。

ひとり後ろの人影だけは身じろぎもせずただ、

「楽しませてくれるものだな」

と、呟きました。月明かりに照らされ、その顔がぎらりと銀色に輝きました。

 

*                       *                          *

 

 おおとり号の中は大変な喧騒につつまれていました。

猛烈に回転するエンジンと軋みをあげる機体、そして乗客の悲鳴が一緒になって。

タケルは壁際に押しつけられ、通路側に引き戻され、座席から放り出されそうになりましたが、シートベルトはそれを許しません。

小さな体をしっかり抱えて、そして息もつけないほどに締めつけてくるのです。

「タケル、タケル、・・・大丈夫か」

反対側の座席からやはり放り出されそうになりながらも、お父さんが声を掛けます。

タケルはだいじょうぶ、と答えたかったのですがとても声が出なかったので

代わりに親指を立て、少しだけ笑みをかえしました。

 

銃座ではヨーク軍曹が空ににらみを効かせています。

激しい揺れにもかかわらず、その目はせわしなく周囲を見渡し、

軽機関銃はしっかと天上を見据えて。

やがて機体がぐん、と踏ん張りを効かせて平衡を取りもどします

「素晴らしい腕だ、キャプテン。四発機にこれほど見事なワルツを踊らせるパイロットはそうはいまい」

「光栄です。しかしこれで逃げ切れたでしょうか?」

「むこうはハワード・ヒューズが地団駄を踏みそうなぐらいの大物だったからなあ、さほど小回りは利くまいよ。

 監視は続けている。そちらも救難信号をよろしく頼む」

「ええ、先刻から打電は続けています。すぐにも救援が来るはずです」

 

しかし突然、どんな月齢の輝きよりも強く、青白い光の柱が海面を交錯しました。

おおとり号の白い機体がくっきりと照らし出されます。

「くっ、四時の方向です!」

「ああ、こちらからも・・・なんてやつだ、あの図体でパワー・ダイビングができるのか!」

飛行機械は夜空を切り裂き、ローラー・コースターのように真っ直ぐに全開加速でおおとり号に迫ってきます

「神に掛けて、あれはただの飛行艇じゃあないぞ!!」

やや前に向けられたその翼は広く、長く、六基の巨大なプロペラが据え付けられています。

機首の先端には灯台にでも使えそうな探照灯が一対輝き、獲物を狙うタカのように低く、睨めつけ、

胴体の後端は細長く伸びて跳ね上がり、

全体は前世紀の翼竜のような形をなしているのでした。

その翼竜のちょうど口に当たるところで、ストロボのような閃光がきらめきます。

たちまち、花火のような尾をひいて曳光弾がおおとり号の機首をかすめて行きました。

「う、撃ってきましたよ!」

「今のは威嚇だ、だが次はおそらく当てて来るぞ。

 下のみなさん、空薬莢に気をつけて下さいよ!」

足下に向けてひと声かけると、ヨーク軍曹ももうためらわずに引き金をひきました。

しかし、その弾道はすぐ横風に流されてしまいます。

ヨーク軍曹はそっとペダルを踏み込み、少しだけ機銃を横に振ると奥歯で噛んでいたチューイン・ガムを指先に取り出しました。

「こんなところかな・・・」

と、そのガムを銃座の窓の内側に慎重に張り付けます。

狩人のように落ち着き払って狙いを定め、ゆっくりと待ち、

敵影がガムと重なったまさしく丁度その時に

「これでもくらえ!」と引き絞ります。

薬莢ははじけたソーセージのように床の上を転がり、弾丸は錐で穿たれたように夜空に垂線を描き、

チューイン・ガムの狙いは過たずに、翼竜の片目、探照灯の一方がふっと消えました。

「ようし、やったぞ!」

まるで怒ったかのように翼竜は機体をぶんと震わせ、動翼を動かします。

そして姿勢を整えると、プロペラの根本、エンジンナセルで不意に小さな爆発が起こり

一段と加速しておおとり号に迫ってきました。

応射するいとまを与えず、ロケット加速でほほとんど真横に近づけると

機首を振り上げ、ほとんど真横で相対します

 

客室では一同が唖然としてその姿を見つめていました。

「飛行要塞を送り込んできたのか・・・」

タケルの横でお父さんが小さく呟きました。

その背中にさかとげのように据え付けられている機銃座が横を向きます。

ヨーク軍曹もそれに答えるかのように、自分の銃を向けました。

西部劇のガンマンのように火線が交差します。

が、その瞬間、翼竜の機首が不意にこちらを向き、銃座だけを強力に照らしつけました。

「!、ぬわっ!!」

ヨーク軍曹が咄嗟に目を覆ったところに機関銃弾が襲いかかりました。

恐ろしい音をたてて銃座の窓が砕かれ、弾片と破片とが機内に降り注ぎます。

どっと空気が流れ込み、それとともに

「God、damn!」

うめき声を上げてヨーク軍曹が転がり落ちてきます。通路に倒れ込み、肩口を押さえて。

「お客様!」

ゆき子さんがベルトを外して近づきます、その時にまた火箭がおおとり号を打ち抜き、

こんどこそエンジンのひとつが爆発して火を吹きました。

「お客様、お客様、 お怪我は・・・」

その揺れをものともせず、果敢にヨーク軍曹を支えます。

「・・・大丈夫、肩に一発喰らっただけだ。これでもね、運の強い方なんだよ」

額に油汗と血を滲ませながら、それでも口元にだけはニヤリとアメリカ人らしい笑みを浮かべます。

機内に、悲痛な声が流れました。

「ご搭乗の皆様、こちらは艇長です。本機はこれより海面に不時着水致します。・・・力、及ばず、まことに申し訳ございません。

 どうかそのまま、座席にお着きになってお待ち下さい」

 

おおとり号は傷ついた身体をいたわるかのように、ゆっくりと航跡を引いて大洋に降り立ちます。

その隣にはZZZ団の飛行要塞が傲然と波を蹴りたてて乱暴に並びました。

「お父さん・・・あれは、なに?まるで聖ジョージさまの竜みたいな・・・」

その問いかけには答えず、お父さんはタケルの目を見つめて

「いいかいタケル、なにがあっても、なにが起きても、じっとしていなさい。日本に、無事に帰るんだぞ」

少し悲しげに、でも力強くはっきりと言いました。

飛行要塞の側面の扉が開き、突撃隊員を乗せたゴムボートが降ろされます。

船外機の音もけたたましく、いくつものボートが鮫の群のようにおおとり号に近づき、

そのうちの一艘が搭乗口に横付けにされました。

やがてかすかな爆発が起こり、軍靴の響きが機内に進入します。

たちまち客席にも、石炭バケツを三角にしたようなヘルメットと、

雨だれのような偽装模様の入った茶色い戦闘服と、

銃身の脇にバナナのように突き出た弾倉を持つ機関短銃を身につけた突撃隊員が押し寄せます

その銃を一発も撃つことなく、「動くな!」の声もなく、

ただ整然と、整然としたまま乗客を制圧する突撃隊員の胸には

アルファベットの「Z」の文字を三つ、稲妻のようにあしらった記章が鈍く輝いていました。

 

「フォン・クリーゲ!皆様、実に良い夜ですな!!」

居並ぶ突撃隊員がさっと両脇にわかれ、敬礼する間を通って一人の人物が通路に姿を現しました。

黒い長靴、黒い軍服、黒いマントを身にまとい、影そのものが形を成して歩き出したかのようなその人物を見て

女性客がひぃっと悲鳴を上げます。

なぜなら、その人物の顔は上半分が銀色の仮面、ドクロのようにも見える仮面で覆われていたからです。

月明かりを受けて、ぎらりと仮面が輝きました。

「吾輩が夜空を眺めていますと、ふとこの美しい飛行艇が目にとまりましてね。

 折角ですから我々もご招待に預かろうと、まかり越しました次第でして」

血のように赤いレンズの奥から眼を凝らして、乗客たちを睥睨します。

「ところで先般、勇敢にも我々に向かって発砲された御仁はどなたかな?乗務員か、あるいは皆様のなかにいらっしゃるのか、

 是非ともご紹介いただきたいですな」

水を打ったように客席が静まります。しかしためらいも見せずヨーク軍曹が立ち上がりました。

 

「私だ、私が撃った。報復したいならば私にするがいい。しかし断っておくが先に発砲してきたのはそちらの方だぞ」

仮面の男は両手を広げ、オーバーな身振りで答えました

「そのような、そのようなことをおっしゃいますな。吾輩はただ勇士というものに出会えて感動すらしているのですよ」

ずかずかと近づいていきます。

「わずか一丁の機関銃で、吾輩の“クロシュバルツ”に立ち向かうとは、なんたる勇気、」

手を差し伸ばし、

「さらには偏差をものともせず、確実に命中させるとはなんたる腕前。実に、実に――

 不愉快極まりない!!」

突然拳を握りしめ、黒い手袋の鋲を打った側で殴りつけました。

「吾輩の大切な飛行要塞“クロシュバルツ”が傷ついてしまった。気の毒にも修理するまで片目のままだ!

 ・・・只今よりこの飛行艇は我々が占拠する、一切の抵抗は無用だ!!」

マントを翻し、くるりと振り返ると大音声で宣言します。

 

*                  *                    *

 

「そうはいかないわ」

凛々しい声が響きました。

「形勢逆転ね、全員おとなしく銃を捨てなさい」

見れば、ヨーク軍曹の傍らにいたはずのゆき子さんが、どこから取り出したのか小さな自動拳銃を構えて、

仮面の男の背中にぴたりと押しつけているのです。

「これはこれは、乗客に対してひどい歓待をしてくれるものですな。どうもこの航空会社はスチュワーデスの教育がなっていないようだ」

「あなたは乗客ではないし私はスチュワーデスでもないわ!

 国際連盟直属、特務機関“セント・バーナード”の名に於いて、国際戦争協議会ZZZ団総統、あなたを逮捕します!」

襟元を裏返すと、木樽と蛇口を図案化した金色のバッジが現れます。

余人に知らぬ者とて無く、世界中を飛び回って平和を守る特務機関“セント・バーナード”、彼女はその一員だったのです。

「おやおや、吾輩のことをご存じなのですか、さすがはジュネーブの仔犬さんというわけですな。お利口お利口、わっはっは」

銃口を押しつけられても尚、総統は楽しそうに笑っています。

「結構、お好きなだけ笑っていなさい。でも、国際法廷でもそう言ってられるかしらね。さあ早く全員武器を捨てなさい!」

「彼らは皆わが団員の中から選りすぐったシュッツ・シュタッフェルだ。吾輩の命令以外何も聞かないよ」

「ではあなたの方から命じなさい。銃を捨てさせるのよ!」

「6号、10号」

二人の突撃隊員が身を正します。

「笑え」

その二人はまったく同じリズム、まったく同じ音程でハハハハ・・・と笑い出しました。

「どういうつもり!」

「これが笑わずにいられるか、すぐ横には“クロシュバルツ”が睨みを効かせ、この飛行艇はもう飛べない。

 玩具みたいな豆鉄砲でいったい何をするつもりかね、お嬢さん」

「すぐにも救援機がやってくるわ。ご自慢の空中要塞でも水面に降りていれば手出しは出来ないでしょう。降下したのは失敗だったわね」

「君の頼みの綱がバイエルンの海鷲ならばいくら待っても現れないがね」

「・・・なんですって」

「あの二機の水上戦闘機、彼らは実に勇敢であった。今頃はヴァルハラにおわすレッド・バロンも、

 二人のパイロットを列翼に加えることに異論あるまい」

そう言って総統は胸に手を当て、お弔いの牧師のように頭を垂れました。

沈痛な声色でしたが、そこにいた人々の中でただひとり、小さなタケルの目線からだけは

仮面の下から覗いている口元がニヤニヤといやらしい笑いを浮かべているのが、はっきり見えたのです。

一瞬の虚をつき、マントが怪鳥の翼のように翻り

振り返った総統の手のなかには金の装飾を施した銃身の長いピストルが握られていました。

ゆき子さんも総統も、少しも身じろぎしません。ただふたつの銃口だけが黒服の銀仮面とエプロンドレスの特務機関員の間で

じりじりと揺れているのです。

 

「もういい!茶番は止め給え!!」

突然お父さんが立ち上がったのでタケルはとても驚きました。

「博士・・・」

ゆき子さんが悲しそうな顔で見つめます。

「私が望みなのだろう、他の乗客は関係あるまい!」

二人の間に割って入り、ゆき子さんの手をやさしく押さえました。

「君は十分に義務を果たした。どうすることも出来ないよ」

拳銃を手放すと緊張の糸が切れたのか、ゆき子さんはぺたりと通路に座り込みました。

「これはこれは瀬生博士ではないですか、こんな所で出会うとはなんたる奇禍!なんたる奇遇!」

「白々しいことを・・・もとからそのつもりで襲ってきたのだろう。どこへなりとでも連れて行け!」

「あれほどお誘いの手紙を送ってもなしのつぶてだった博士が一体どういう了見ですかな」

「あんなものは全部暖炉の焚き付けにした!誰が貴様らに協力などするものか」

それを聞いてはじめて、タケルはお父さんが時折夜中に、暖炉で封も切らない手紙を燃やしていたわけがわかりました。

「おや、悲しいことを仰いますな。我々に協力する気はないと。ではお連れしても徒労でしょう。

 吾輩は自発的に協力していただきたいのですよ。20世紀最高の頭脳の一人、マシーネン・メンシェのマイスター、瀬生草蔵博士にね。

 ・・・仕方がない、諸君、今日の所は引き上げよう」

「なに!?」

「折角ですから部下達には射撃練習をさせておきましょう。1号から8号は右側、9号から16号は左側の乗客だ。装填!」

突撃隊員は全員まったく同じタイミングで機関短銃のボルトを動かします。

「無論博士にはかすりもしません、我が団員は射撃の名手がそろっておりますのでご安心下さい。構え!」

儀仗兵のように一斉に短機関銃が構えられます。

「待て、待てッ!・・・撃つな!」

お父さんは大声を上げました

「残念ですなあ、我々の趣旨に賛同いただけないとは。狙え!」

照星が各々の目標を捕らえます。誰かが泣き出しました。

タケルも自分を狙っている銃口を覗き込むことになりました。たかだかの大きさですが、どんな洞穴よりも深く思える――

「わかった!協力する、だから撃つなッ!!」

「射撃中止」

すかさず総統が制止の声を挙げます。ぴたりと、全員が動きを止めました。

「博士、今なんと仰いました?」

「協力すると言ったんだ!」

「結構、では我等がZZZ団の誇る飛行要塞“クロシュバルツ”にお招きいたしましょう」

「他の乗客、乗員には手を出すな。それが条件だ。約束してくれるな」

「約束なぞ致しませんよ。そもそも今は平和な時代だ、戦争でもあるまいに無関係な民間人を撃つわけなどありはしません、

 ご心配されるな、わっはっはっはっは・・・」

満足そうに大声で笑うと瀬生博士を従えて歩き出します。

座席を蹴ってタケルは立ち上がり、通路に飛び出しました。

 

「まてっ!こいつめ、お父さんをどうするつもりだ!ゆるさないぞ!!」

カバンを振り上げて総統に向かっていきます。

まさにたたきつけようとしたその時、タケルの手をつかんだのは

ほかならぬ瀬生博士の大きな、やわらかい手のひらでした。

「よしなさい、タケル」

膝を折りタケルの目をじっと見つめて言いました。

「おやぁ、勇敢な坊やだと思えばご子息でいらっしゃる」

総統は上から見下ろし、にやにや笑います

「この子には手を出すな、絶対にだ!!」

そのままタケルを抱きしめると

「そのなかには大切なものが入っているのだから、壊してはいけないよ」

そっと諭すように耳元でささやきます。

立ち上がり、振り返ると

「速水君、この子を頼みます。無事に京都のオヤジへ届けてやって下さい」

ゆき子さんに告げ、タケルの頭をぽんとたたくと客室を出て行きました。

「では皆様、これにて失礼致します!良い旅を、良い船旅を!!わっはっは・・・」

大仰にマントを翻し、笑いながら総統も出ていきます

そのあとに続いて、無言の突撃隊員も姿を消していきました。

 

やがてゴムボートが波間を伝って飛行要塞の中に収納され、機首がグイと持ち上がります。

六基のエンジンの二重反転プロペラが回転をはじめ、ひとつだけ残った探照灯が夜空に向けられ、

広く大きな航跡を後に残し,滑水をはじめました。

波を受けて揺れる機内、天上に残されたはしごの残骸を伝ってタケルは銃座の中に登ります。

手に突き刺さる破片もいとわず、まさに飛び発たんとする飛行要塞に向けて

 

「お父さん、おとうさぁーん!」

 

叫びは夜空に吸い込まれ、涙とは違う水滴が頬を伝いました。

南シナ海に、スコールが降り始めたのです――。

つづく

 


付録:南西航空所属、大型旅客飛行艇「おおとり号」

 みなさん、はじめまして、速水ゆき子と申します。今回は私が乗務していた旅客艇「おおとり号」を紹介致します。

 

 こちらが「おおとり号」の全形となります。日本海軍の二式大型飛行艇、通称「二式大艇」を民間航空用に払い下げたものね。

ちょっと、この模型塗りがひどくない?写真もあんまり良くないし・・・実物はもっと美しい機体ですのでご安心下さいね。

あら、こんなところにメモが、なになに

「飛行機モデラーじゃないので勘弁して下さい(泣)」

なによ(泣)って?

 

これが私がタケル君を連れ込んだ・・・失礼、案内してあげた展望塔ね。もともとは20mm機関砲を据え付けていたんだけど

いまではちょっとした娯楽用になっています。いくらなんでもお昼は暑くてしょうがないんじゃないかしら?

窓が小さく見えるのは気のせいね、きっと。タケル君がつまらなく感じたのも無理ないかしら?

まるで1/144スケールの機体に1/200スケールのデカールを貼ったように見えるけれども

 

そしてこれが機首付近。汚く見えるのは・・・やっぱり自然と、汚れてしまうから、かしらね、ほほほ。

プロペラがついてないのはこの機体が夢の動力「ジェットエンジン」を搭載しているから!!

ではなくてね、メモによると「この方がなんとなく飛んでるように見えるから」ですって、はぁ・・・

なんか最後に小さく書いてあるわ、水で滲んだ、読みにくい字で、どれどれ

「みすてないでください」

なによ、これ・・・

 

それでは皆様、快適な空の旅をお楽しみ下さい。私は実は乗務員でもなんでもないのでこれで失礼いたしまぁ〜す♪

 

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